「あのsexyをもう一度」 野洲高校「全国」へ 

LakeSide

2010年12月04日 07:21



試合の終わったあと、ベンチに入れない大勢の仲間のいるスタンドへ走っていくこのシーンがとても好きです。

11月27日(土)高校サッカーの決勝戦を見に行きました。

おじいちゃん(私の父)に孫(私のおい)の出る試合を見せてあげたいと思ったからです。

年末から千葉県などである全国大会にはなかなか連れて行ってあげられません。

 「県大会の決勝、△◇ちゃんの応援に行く?」と誘ったら、この日は温かかったこともあり一緒に行くことになりました。



決勝は2年前と同じカードで、野洲高校と綾羽高校でした。

2年前のお話はこちら
 
綾羽はインターハイ出場の草津東高校を接戦で破っての決勝進出です。
 
 
私がスタンドに入るなり、綾羽が先制ゴール。

 「もしかして、綾羽に負けるの?」と一抹の不安がよぎるほど、綾羽が攻めていました。

 でもしばらくして、#9加藤選手が同点ゴール。またすぐに、今度はU-16の1年生エース#10望月選手の芸術的なミドルシュートが決まり、逆転。  
 そして、前半37分くらいに#4望月のヘッディングでさらにもう1点。3-1で前半を折り返しました。

 得点差は2点あったのですが、綾羽が果敢に早い攻撃を仕掛けてきます。何度もGKのファインセーブに助けられました。
  そして、綾羽が追加点を入れ1点差に迫ると、かなり緊張したゲームが続きました。
  野洲も負けじとゴールを狙いますが、惜しくもゴールポストにはじかれます。

スタンドも早く終了のホイッスルが鳴らないかと、やきもきしています。
  
しばらくしてやっと試合終了のホイッスル。



天を仰ぐ選手、仲間と抱き合って喜ぶ選手、崩れ落ちる選手。さまざまです。

勝った方も負けた方も、それぞれの思いでこの数年間を思いめぐらせていることでしょう。

今年の綾羽は強かったです。2年前の決勝もここで観戦したのですが、本当に強くなっていました。

 あと一歩のところでやぶれた綾羽のためにも、全国の舞台でいいゲームをして、滋賀に野洲ありというサッカーを披露してきてほしいものです。




野洲高校といえば、5年前に全国優勝し、旋風を巻き起こした県立野洲(やす)高校です。

華麗なパスまわしから得点をかさねる野洲のスタイルは「sexy football」とよばれました。

J リーガーも多数輩出しています。 
 
その後も全国大会に連続出場していますが、3回戦どまりで国立競技場(ベスト4)も遠くなっています。

今年の野洲高は「1,2年中心の若いチームで…」と、試合後のインタビューで監督が言っていました。

U-16の選手をはじめ優秀な1年生が5,6人試合に出ています。

3年生で出てるのはキャプテンとGKとあと一人くらいです。スポーツは実力の世界とはいえ、1年生が入ってくるまではレギュラーだった選手も出られなかったり、ベンチ入りを外れるわけです。

今の一年生から3年計画で、「あのSexyをもう一度!」と2度目の全国制覇をねらっているので
しょうか。

J1チームのある都市部の優秀な選手は、高校のサッカー部の入らないでプロチームのユースに所属し、もっと高いレベルでサッカーをしています。

でも地方のサッカー少年は、プロサッカー選手を夢見て高校サッカー3年間にすべてをかけます。

地元の少年サッカーで有名になった選手もその多くはあと数年で選手を引退していきます。

学校やクラブチームでサッカーの指導者になる人、引退後は生涯スポーツとしてサッカーを楽しむ人などなど様々ですが、

学生時代の数年間をサッカーに熱中し、自分の夢を追いかけた経験はきっとその後の人生に大きく役立つときがくる思います。

 少年から青年に成長するこの時期にこれだけ熱中できるものに出逢い、必死でがんばっている彼らは本当に輝いて見えました。

 試合の最後の数分間に綾羽高校で数人の選手交代がありました。
 
 出てきたうちの一人は3年生のDFで、中学の頃から知っている選手でした。
 最後の試合になる3年生への監督のはからいでしょう。
 
 最後の数分間でしたが必死でボールを追いかけていました。
 中学時代の同級生が最後に出てきた綾羽の彼を応援していました。

 そして試合終了のホイッスル。顔を手で押さえ強泣していました。

 これで終わりと思うとほんとに悔しいのでしょう。

 これまで厳しい練習に耐えてがんばってきたことが思い出されたのでしょうか、
 
 思い切り泣いていました。

 全国大会初出場にあと一歩のところで敗れましたが、

 「3年間よくがんばったな」とまた声をかけてやりたいなぁ。

 そして「これからもがんばれよ…」と

 

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