『タイタニック』リバイバル 〜学歴分断社会〜

LakeSide

2023年02月18日 18:00



映画タイタニックのリバイバル上映が2週間限定であるらしい。

25年前に日本でも大ヒットした映画で、

お母さんと映画館で見た後、VHSのテープも買って家で見た。

画家志望の貧しい青年と、没落貴族の娘が豪華客船で出会い

恋に落ちる。

映画を見た時に思ったことは、


実にいろんな人がタイタニックに乗り込むということだった。

動く豪華ホテルでもあるタイタニックだが

船底に近い客室は狭い部屋で、なんとか切符を手に入れ

新天地アメリカでの成功を夢見る貧しい人々がいた。

さらに、船を動かす動力室にはもっと貧しい人々が誇りを持って働いていた。



船が沈み出した時、救命ボートには多くの金持ちが

競って乗り込もうとしていた。

そして、画家志望のジャックをはじめ多くの貧困層の乗客や

船の乗組委員たちが冷たい海に沈んでいった。


そんな感じのストーリーだったような・・



2020年にリリースされた、中島みゆき さんの

アルバム収録曲に「タグ・ボート」というのがあり

そこに出てくる 歌詞に

「大いなる船は今 おごそかに岸を離れる

祝杯は交わされる 人々は見ていない

その城の足元を 身を震わせ引いている

汚れたタグ・ボートを」

・・・

「大いなる人々の水平線は 大いなる船の上 甲板の高さ

大いなる人々は その足よりも低いところにあるものを 

見ることはない。」

 「タグボートは今日も上機嫌」

  「タグボートは今日も上機嫌」  



25年前の映画タイタニックに感じた思いが

この「タグ・ボート」という歌でよみがえる。



東京五輪に絡んでまた逮捕者が出た、というニュースが流れた。

東京五輪で大儲けを企んだ人や 名声を上げようとした人がいいっぱいる一方で

心からの「おもてなし」に励んだ多くのボランティアの人々がいた。

多くのアスリートのがんばりに 感動の涙を流したたくさんの人々がいた。


円安による物価高に苦しむ国民が多いというけれど

経済的に景気が上向きになり、お金があるところにはあるようだ。

格差社会と言われて久しいが、

今は、「学歴分断社会」というそうだ。



大卒かどうかで、生活の経済格差が生まれ、

勝ち組、負け組、下流社会、上級国民、と言った言葉で社会が分けられる。



若者たちは、親に金がないとか、家庭環境が悪いために

行きたい大学に行けないと、

「子どもは親を選べない」という意味で

「親ガチャ」で失敗した、と言うらしい。




日本は「学歴分断社会」なのか? 

富裕層の子どもは、親も高学歴、高収入で

有名大学への進学に道がひらけていて、

官僚や企業のトップになり、社会を動かしていく

上級国民のメンバーがなかなか入れ替わらない・・
                
学歴がないので、いい仕事にも就けないのは「自己責任」だ。

これは支配者層にとても都合がいい論理だし、上から目線の言葉だ。




少子化が進み大学は入学しやすくなった。

お金がなければ、奨学金を借りて大学へ行くこともできる。

しかし、借りた金が多いと返済できないため、また貧しい人になる。




企業がもっと優秀な高卒者を雇用し、技術者を養成していた時代は

遠い過去の話である。

民間まかせや、個人の努力に頼るでなく

国が補助金をいっぱい出すなど・・

政策の転換を考えないと、効率よく優秀な

技術者を育てることができないだろう。


早くきちんと手を打たないと、



受験やスポーツなどに結果を残したら、

「自分は努力して勝ったから正しいんだ」と、できない人に言うような

子どもたちが、大人になっていくのが心配だ。



日々の生活のために地道に毎日働き、

疲れた身体で湯につかったり、安酒を飲んで寝ることを楽しみにしている

大多数の下層社会の人々の 日常やこれまでの人生を

きちんと「想像」できる人が 政治や経済の世界で活躍し、

社会を動かしてほしい。


「寛容」と「包摂」の時代というけれど、

 スポーツの指導者や 学習塾を含めて教育に関わる全ての人が

何を目標に、どんな人を育てるのか今一度考えなければと思う。


社会の階層化が進み、学歴分断がこれまで以上に進むと

有名私立の小学校が増え、裕福層の子どもは幼い時から

貧しい家庭の子どもと交流することがないまま、大人になっていく。

韓国ドラマに出てくるような、社会の序列が

日本でもじわじわと現実に起こりそうで、人事でない。。





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