映画 「あん」

LakeSide

2016年08月12日 09:40




原作はドリアン助川 (映画公開記念インタビューはこちら

河瀨直美監督の映画 『あん』 カンヌ国際映画祭で世界中から高い評価をうけ、世界35カ国での上映された映画です。

樹木希林さん主演で、映画館で上映されたころは、観たいなと思っているうちに

見そびれてしまいました。

レンタルで探したら、準新作で1週間借りて 見ることができました。

2回見ました。

樹木希林が・・・。 やっぱり素晴らしい。





徳江(樹木希林)はハンセン病患者だった。


らい病とも呼ばれる感染症。かつては不治の病と言われたが、今では治療法もあり、近年の日本国内での新規患者数は年間0~1人程度。

でも、見た目から差別・偏見の対象となり、強制隔離された。

帰る家もない。療養所内で結婚して子どもができても産むことができなかった。

徳江がどんな人生を送ってきたか、想像するしかない。

あん作りも 療養所の施設内で 50年やってきた。

それが 月に何度かの外出の日 どら焼き屋の求人の張り紙を見る

初めて社会に出て どら焼き屋で働き始めた嬉しそうな顔が何とも言えない。

初めて触れた自由、生きる楽しさ、一人の人間としての尊厳。

徳江はあんを作る時、あんに話しかける。

あんの声、あんが歩んできた道に耳を傾ける。

「がんばるのよ~」とあんに声をかける。

すると、主人で訳アリの仙太郎(永瀬正敏)が「はい」

とこたえる。

このシーンは、徳江が亡くなって、一人でどら焼きを売る永瀬が

公園で花見客にどら焼きを売るシーンに通じる。


千太郎も社会の偏見・差別の中で必死に生きている。

いまだに差別や偏見の中で 社会から排除されている人への

社会全体の目を変えていく、一つの視点を持った映画かなと思う。

「障害のある子どもや大人が 可能な限り同じ社会で ともに生きていく」

そのために 普通教育の中で 障害のある人と「ともに生きる」教育が必要と言われている。

国連がインクルーシブ教育(共生教育)システムを提唱して久しいが、

日本でも やっとこの数年がんばって言い出したような気がする。


「社会とつながっていてくれてありがとう」 と言える社会を作っていくべきなのではないか。

これは 平田オリザが 「下り坂をそろそろ下る」の中で言っている。

社会とつながっていない人が増えているのはなぜかな

つながりたいと 思える社会になっていないのかな・・・。






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