地域のお祭りと令和元年

地域のお祭りがあった。
毎年行われている町内の行事で、神輿が町内を巡行する。
昭和40年代の終わりころ町内のお金持ちが神輿などを寄付されて始まった。
私が小学校6年生の時だった。
小さな子ども神輿で、神社奉賛会と町内会の「子ども会」が主体で
町内会が奉賛会に協力している感じだ。
この神社には多くの灯籠などが奉納されている
厄年や還暦などに町内の多くの人が寄進(奉納)してきた
昔は一部の金持ちがしていてだけだと思うが、
今は一般の人も数人で組んで奉納している。
近隣の神社でも似たようなことをしている。
それだけ 経済的に豊かになったということかな。
もう境内に奉納品を置く場所がないので
お金だけでいいという。お金は諸々の修繕費などに使うのかな
それなら寄進した証拠は、ちゃんと石碑に彫って残してほしいけど、 どうなのだろう

その奉賛会の役員も15年ほど前に経験した。
今年は町内の役員をしている関係で前日準備から参加している
子どもの数が減っているとはいえ、今年もたくさんの子どもとその保護者でにぎわっていた。
神社の中をいろいろ見て回っていると、
今年90歳になる我が父の名を見つけた
境内の中に、還暦の寄進を記した立派な額があった。
町内の同級生の名前と、平成64年1月という貴重な期日が標されていた。
そういえば神事の時に開けられる、正殿の奥に木彫りの狛犬がある。
これは父が師範学校の同級生に依頼して製作したものだ
奥にあるので滅多に人目に触れることがないが
ちょうど息子さんが生まれた時に父が奉納した。
研究所の仕事の関係もあり、狛犬を製作された方にもお会いしたことがある
父は結構な金額のお金を払ったらしい。父の名は残っているが
神殿の中なので、一般の人は見ることはない。
地元の氏神様に こうして感謝し、祭礼をすることは良き伝統であり
心から大切にしていきたいとも思う
でも、気になったことは「天皇即位」の祝賀の御旗?をもって
神輿の巡行が行われたことである。
今年は新天皇が即位し、元号も令和に変わった。
テレビではお祭り騒ぎで、皇居での一般参賀に多くの人が訪れている。
天皇が生前退位したことで服喪することもなく、祝賀一色になっている。
「国民統合の象徴」としての天皇がより国民に親しく近い存在であることは良いことと思う。
でも、万世一系の男子のみが天皇でなければならいという考えのもと
秋篠宮に急きょ男の子が生まれ、皇位継承権がこの子に移った。
つまり、女性天皇の誕生の論議は、フェイドアウトしていった。
今回の新元号も 国書からという総理の意向が反映され
政治色が濃く、さらに一連の天皇即位の儀式も国事行為として
公費を使い盛大に行われている。
ウイリアム・メレル・ヴォーリズが近江で始めた
「神の国」運動や それに呼応した
賀川豊彦のキリスト教社会運動とは
大きく異なる。
「神国日本」の復興を願う
大きな流れの渦がつくられ
天皇の軍隊が復活しないとも限らない
そんな 不安を感じながら 小さな町の中をゆっくりと
歩いた。
