妻籠宿の写真と新築祝い

実家に新築のお祝いを持って行った。
兄夫婦、2人のための小さめの住宅だ。
息子や娘夫婦が帰省した時に集まれる部屋はあるけど
ふだんは2人だけなので、生活しやすいように設計されている。
父が53年前に建てた実家は、まさに「昭和の家」の家で、
昔ながらの南向きの玄関で、8畳に床の間のある座敷がメインの家だが
兄が建てた「令和の家」は、全館床暖房でソーラーシステム、もちろんオール電化。
そんな家を見せてもらい羨ましい限りであるが、我が家はせいぜい
台所や風呂などの水回りのリフォームができたらいいくらいかな
バリアフリーで、冬でも暖かい家が理想だけど
あちこちに手すりをつけることになり、やがては1階で
杖や歩行器を持って、最小限の動きをして過ごすのかな。
兄は50年あまり前に父が建てた家を取り壊し、新居を建てた。
取り壊した実家の居間にあった「妻籠宿の写真」に
お金をかけて額をつけ、新居の玄関ホールに飾ろうとしている。
結構広めの玄関だから、大きさからして結構インパクトがあるかな。
新築の家の玄関に、なぜこの写真なんや、、とも思ったが、、
全部を新しくするのでなく、前の家にあったものを
新築の家に飾ろうと思ったのであろう。
今年3月に亡くなった父が50年前に建てた家。
その居間に掲げられ、
自分たち兄弟が育っていく様子や
父母と同居していた兄夫婦との暮らしと
その子どもたちが成長していく様子を見下ろしていた写真だ。
写真自体は父の弟で、写真好きの叔父さんがまだ同居している時に
勝手に?飾った写真で、特に思い入れがあるわけではない。
ただ、実家の居間に掲げられていた写真だ
「家族のことをずっと見ていた」
そんなことをふと思うのは私だけかもしれないが、
この家からで出て行った私や弟、そして兄の息子と娘が
この家にやってきたときにふと、
父(祖父)が建てたあの家の居間にあったことを
その家で自分たちが育ち、その家を出て行ったことを
思い出せたらいいと思っている。