金具職人がつくる燻製
兵庫県の猪名川に行ってきてた。
琵琶湖岸の家から 草津の実家の義母をひらって
京都の西京極にいる伯母さんを乗せて
京都縦貫道を沓掛から亀岡まで乗り
そこからは下道を大阪の能勢、兵庫県猪名川まで
3時間余りかかった。
お母さんが行けるととこまで運転するというので
結局、全行程運転してくれた。
猪名川の山の斜面にあった別荘を譲り受けて
亀岡に家がある３代目金具職人のYさん（お母さんのいとこ）
が週末を夫婦二人で過ごしている。
琵琶湖岸の家から 草津の実家の義母をひらって
京都の西京極にいる伯母さんを乗せて
京都縦貫道を沓掛から亀岡まで乗り
そこからは下道を大阪の能勢、兵庫県猪名川まで
3時間余りかかった。
お母さんが行けるととこまで運転するというので
結局、全行程運転してくれた。
猪名川の山の斜面にあった別荘を譲り受けて
亀岡に家がある３代目金具職人のYさん（お母さんのいとこ）
が週末を夫婦二人で過ごしている。
そこへ、西京極の金具工房の2、３階に一人で暮らす、
年老いた伯母ちゃん(Yさんの母）を連れて行った。
３代目の鍛治職人で金具工房を引き継いでいるいとこのYさんは
なんでも自分で作る。
この五徳も、ドラム缶の取手などももちろん、
仕事の合間に作ったようだ。
そして、この日は燻製を用意してくれていた。
譲り受けた別荘は少し古くて傷みもあったが、
コツコツ広い庭や畑を整備し、平屋の家も直していったそうだ。
今回は、改装したばかりのLDKへ案内されたので、
ここで、なべ料理をいただくかと思っていたら
別棟の広いデッキに大きなテーブルがあり
天気も良く日当たりも良いので
少し着込んで、アウトドアで鍋を囲んだ。
たくさんの炭に火が入っていて、高齢の義母と
伯母さんは炭火の近くに座った。
高台にあり、谷の方に向かってとても眺めが良い。
コツコツ広い庭や畑を整備し、平屋の家も直していったそうだ。
今回は、改装したばかりのLDKへ案内されたので、
ここで、なべ料理をいただくかと思っていたら
別棟の広いデッキに大きなテーブルがあり
天気も良く日当たりも良いので
少し着込んで、アウトドアで鍋を囲んだ。
たくさんの炭に火が入っていて、高齢の義母と
伯母さんは炭火の近くに座った。
高台にあり、谷の方に向かってとても眺めが良い。
何かと忙しい日常を離れて、週末を過ごすにはとても良いところだ。
ただ、夏は暑く、冬は冷えるようだ。
だから、行くならラストチャンスかなと
１１月の小春日和に息子夫婦が過ごす猪名川に
やってきて、伯母ちゃんはとても喜んでいた。
先代の伯父さん（義母の兄）は初代？の父から鍛治の仕事を習い
戦後はスポーツシューズのスパイクのピンを作っていたようだ。
妹たちを食べさせていかなければならかったので、国鉄の仕事を辞めて
家業を継いで、鍛治職人になったそうだ。
和釘も造っていたので、やがて社寺金具の仕事もするようになった。
京都の有名な社寺の金具や桂離宮なども手掛けたらしい。
その事で表彰もされ、名が知られるようになると
京都だけでなく、遠くは北海道の寺の金具もつけた、と聞いている。
それを息子たちが後をついでくれていることを、
NHKテレビの「俵太の職人探訪」という番組で
訪問者の越前屋俵太に、とても嬉しそうに語っている。
今、週末は猪名川の別宅の住人である、Yさんのもとで、
息子さん（４代目）も金具職人の仕事をしている。
その息子さんも腕を上げてきて、代々の伝統を引き継ぎながら
自分流のやり方を模索しているようだ。
師弟関係でもあるが、親子でもある。
時にぶつかり合い、また認め合い、伝統技術を伝えていくのだろう。
伝統的な文化財の保護という意味でなくてはならない仕事だと思う。
Yさんが、父親（伯父さん）のこの仕事を引き継いでいく中でも
いろいろ悩み考えたことも多かっただろうし、
仕事に向き合い、努力する中で自分の技術にも
自信と誇りも生まれてきたことだろう。
今、若い息子さんと仕事でぶつかる事もあるようだ。
それを、「あなたも、義父さんとそうだったでしょう」と
妻さんに言われ、気づいているようだった。
腕を上げていい仕事するようになったYさんのことを、
「嬉しくもあり、寂しくもあり」とインタビューの中で
語っていたが、今同じことをYさんが自分の息子さんに
感じていることだろう。
そういったことを、これまでの出会いの中で思ってきた。
そして、伝統工芸ともいえる社寺金具の仕事は
技術に裏付けされた、心のこもった仕事なんだ、とも思った。
そんなことを考えるのは黒澤明の遺作となった映画、
「まあだだよ」に出てくる内田百閒のセリフがずっと
私の心に残っているかだろうなぁ。
「自分にとって大切のもの、好きなものを見つけてください。
見つかったら、その大切なもののために一生懸命努力しなさい。
努力したい何かを、君たちは持っているはずだから。
きっとそれは、心のこもった立派な仕事になるでしょう。」
