ママの遺したラヴソング

10月2日の木曜日の夜、息子さんは小学校の自然教室で荒神山(彦根市)へ行っています。
お母さんも保護者ボランティアで自然教室に参加しています。
だから、久しぶりにDVDを借りてきてゆっくり家で見ました。
見終わったあとの余韻がなかなかいい映画でした。
『ママの遺したラヴソング』。原題は『A LOVE SONG FOR BOBBY LONG』です。
学校へも行かず堕落した生活を送っていた娘のパーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、
長年疎通だった母が死んだという知らせを聞き、ニューオーリンズへ向かいます。
お葬式はもう終わっていて、母の家には元大学文学部教授のボビー・ロング(ジョン・トラボルタ)と彼を慕う作家志望の青年ローソン(ガブリエル・マクト)が住みついていました。
母の友人であるらしい二人と、近所に住む人々の温かい雰囲気がとてもいいです。
けだるい暑さの中で、ただ集まってたわいもない話をしている。
仲間たちとの意味のない会話を毎日している。
なんにもしていないのに密度の濃い、贅沢な時間がゆっくりと流れている。
なんか、不思議な場面がよく出てきます。
もと大学教授のボビーのくだらない?変な話をみんなが聞いている。
そして、また、文豪の 名著からの数々の引用がいっぱい出てくる。
それはとても意味のある、深い言葉が多い。皮肉も多い。
でも、多すぎて途中でこの元教授は何が言いたいのか考えるのをやめた。
あとの方で、パーシーとボビーが口論となった時に出てくるセリフで
「あなたは、人の言葉でしか話ができない。」みたいなのが出てくる。
なるほど、「自分の言葉で自分のことが話せない」そういう人って、いるなぁと思った。
自分はどうだろ?人に話すとき自分の言葉で話しているだろうか。

ママの思い出がないパーシーに町のたくさんの人がママのことを話してくれる。
ママがこの町の人に親しまれ、愛されていたこともよくわかる。
町の人々が作り出している不思議に心地よい雰囲気がよかった。
復学したパーシーが、無事に高校を卒業して大学進学するお祝いを町のみんながしているシーンもとても良かった。
また、 スカーレット・ヨハンソンが、頭が良く、口が達者だけど生きることに不器用な女の子を生き生きと演じていて、とても魅力的でした。
自分は子どもに何を遺しておくことができるのだろうか。
自分の父や母は何を遺してくれているのだろうか。
お金や財産という形あるものではでなく、人とのつながりであったり、人の心に何を遺したかが大切なような気がする。